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Lee, H. S.*; 山口 真史*; Ekins-Daukes, N. J.*; Khan, A.*; 高本 達也*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.564 - 567, 2006/04
被引用回数:2 パーセンタイル:12.58(Physics, Condensed Matter)次世代の高効率多接合太陽電池のトップセルとして期待されるnp接合型AlInGaP太陽電池へ30keV陽子線照射を行い、生成する欠陥をDLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)法により調べた。その結果、二種類の多数キャリアトラップ(HP1, HP2)及び二種類の少数キャリアトラップ(EP1, EP2)を見いだした。温度依存性よりエネルギー準位を見積もったところ、HP1はE+0.90eV、EP1はE-0.54eVであると決定できた。3MeV陽子線照射の報告と比較することで、EP1はリン空孔が関与した複合欠陥に由来すると帰結できた。さらに、照射試料に対し室温にて100mA/cmの電流注入を行ったところ、HP1トラップが減少し、それに応じて正孔濃度が増加することが明らかになり、電流注入による太陽電池特性の回復現象にHP1が関与すると結論できた。
Pensl, G.*; Ciobanu, F.*; Frank, T.*; Kirmse, D.*; Krieger, M.*; Reshanov, S.*; Schmid, F.*; Weidner, M.*; 大島 武; 伊藤 久義; et al.
Microelectronic Engineering, 83(1), p.146 - 149, 2006/01
被引用回数:15 パーセンタイル:59.32(Engineering, Electrical & Electronic)SiC中の欠陥を制御することで素子特性の改善に役立てることを目的に、炭化ケイ素(SiC)中及びSiC/酸化膜界面の欠陥の電気的性質を調べた。SiCへの欠陥導入には200keV及び2MeV電子線照射,窒素及び炭素イオン注入を行った。深部欠陥準位測定(DLTS)及び低温でのフォトルミネッセンス(LTPL)により欠陥を調べた結果、炭素原子のみをはじき出す200keV電子線照射では、全原子をはじき出す2MeV電子線照射とは異なる欠陥準位が観測された。また、SiC/酸化膜界面への窒素イオン注入により界面欠陥(界面準位)が観測限界以下の10/cmeVまで減少することを見いだした。
Lee, H. S.*; Ekins-Daukes, N. J.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; 今泉 充*; et al.
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.556 - 558, 2005/00
AlInGaP太陽電池及びダイオードへ30keV陽子線を照射し、太陽電池特性の変化及び発生欠陥を観察した。DLTS法を用い、欠陥を調べたところ正孔捕獲中心としてHP1(E+1.57eV)とHP2(E+1.19eV)を、電子捕獲中心としてEP1(E-0.54eV)とEP2(E-0.71eV)を新たに見いだした。太陽電池特性の変化を調べた結果、110/cm照射によりフィルファクターの劣化が大きくなることで最大電力が急激に減少することがわかった。また、この線量域では、基板の多数キャリアの減少により短絡電流が若干上昇した後、急落する現象も観察された。InGaP太陽電池とAlInGaP太陽電池の特性劣化を比較したところ、AlInGaPの方が耐放射線性に優れており、宇宙応用に適していることが示唆された。
Ekins-Daukes, N. J.*; 新船 幸二*; Lee, H. S.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; et al.
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.683 - 686, 2005/00
GaAs基板上に作製した格子不整合InGaAs及びInGaP太陽電池中の真性及び照射欠陥をDLTS法により調べた。InGaAs作製後に300Cから800Cでの熱処理を繰り返す熱サイクル処理(TCA)により真性欠陥準位であるH1中心及びE3中心が減少し、太陽電池特性が向上することが見いだされた。また、これらの太陽電池に1MeV電子線を照射し、発生する欠陥を調べたところ、照射量の増加とともにE1, E2, H1, H2中心が増加することが明らかとなった。
Weidner, M.*; Pensl, G.*; 長澤 弘幸*; Schner, A.*; 大島 武
Materials Science Forum, 457-460, p.485 - 488, 2004/10
SiC中の欠陥であるE1/E2及びZ1/Z2中心の電気特性を光照射下で調べた。欠陥中心はHeイオン注入(ボックス注入:410または1.210/cm,注入深さ:1.6)または2MeV電子線照射(410/cm)及び1700Cまでの熱処理により導入した。電気特性はDLTS法を用いて評価した。その結果、6H-SiC中の(E1/E2)及び4H-SiC中の(Z1/Z2)がネガティブU中心であると同定できた。一方、3C-SiCではネガティブU中心は観測されなかった。また、6H-SiC中の(E1/E2)は光により準安定状態にイオン化するエネルギーが0.5から0.7eVの間であること、4H-SiCの場合、Z1は0.5から0.7eVの間、Z2が0.7から0.9eVの間の値であることがわかった。
岡田 浩*; 藤田 直樹*; Lee, H.-S.*; 若原 昭浩*; 吉田 明*; 大島 武; 伊藤 久義
Journal of Electronic Materials, 32(9), p.L5 - L8, 2003/09
被引用回数:1 パーセンタイル:12.39(Engineering, Electrical & Electronic)宇宙用の耐放射線性薄膜太陽電池への応用が期待されているCuInSe(CIS)半導体の電子線照射により発生する欠陥準位を調べるために、スパッタ法でGaAs上に作製したCIS薄膜単結晶に2MeV及び3MeV陽子線照射を行った。電子線照射は室温にて最大510/cm行った。Hall測定より110/cm以上の電子線照射によりキャリア濃度及び移動度が低下していくことが明らかとなった。深部準位(DLTS)測定を行ったところ、電子線照射により電子トラップが形成されることが判明した。電子トラップのエネルギーの温度依存性(逆数)を解析することで電子トラップの活性化エネルギーを見積もったところ220meVと求められた。この値は、未照射の試料で見られる電子トラップである330meVとは異なることから、電子線照射により、低エネルギーの電子トラップが発生しキャリアに散乱等の影響を与えることが明らかとなった。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Solar Energy Materials and Solar Cells, 75(1-2), p.327 - 333, 2003/01
被引用回数:3 パーセンタイル:30.01(Energy & Fuels)多接合太陽電池のトップセルであるn/p接合InGaP構造に100keV陽子線を照射し、電気特性に及ぼす効果をC-V測定法及びDLTS法により調べた。n/p接合InGaPは有機金属気相成長(MOCVD)法により作製し、陽子線照射は室温で1E12/cmまで行った。キャリア濃度の照射量依存性よりキャリア濃度減少率を見積もったところ6.1E4cmが得られた。また、DLTS測定の結果、照射により400K付近にピーク(H1)が発生することがわかった。キャリア濃度測定の結果と比較することで、H1ピークはキャリア捕獲中心として働くことが判明した。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Bourgoin, J. C.*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Applied Physics Letters, 81(1), p.64 - 66, 2002/07
被引用回数:17 パーセンタイル:55.85(Physics, Applied)n/p-InGaP太陽電池に0.38MeVから3MeVの陽子線を照射することで発生する欠陥をDLTS法を用いて調べた。その結果、HP1 (E+0.900.05eV),HP2 (E+0.730.05eV),H2 (E+0.55eV)とラベル付けされた3つの多数キャリア(ホール)トラップとEP1 (E 0.54eV)とラベル付けされた少数キャリアトラップを発見した。また、これらのトラップは全てキャリアの再結合中心として働くこと、H2は少数キャリア注入によって消滅することを見出した。
河裾 厚男; Weidner, M.*; Redmann, F.*; Frank, T.*; Krause-Rehberg, R.*; Pensl, G.*; Sperr, P.*; Triftshuser, W.*; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 389-393, p.489 - 492, 2002/05
2MeVの電子線照射を行った4H及び6H SiCエピ膜について、陽電子ビームによる陽電子消滅測定及びDLTS測定を行い、高温で残留する深準位を同定した。電子線照射直後には、多くの電子準位が存在することがわかった。これらの多くは、1000までのアニールで消失し、その後E(6H-SiC)とZ(4H SiC)が残留することが見いだされた。これらは、負の電子相関を持つ特殊な電子準位である。また、最終的に1200~1500のアニールで消失することが明らかになった。一方、陽電子消滅測定の結果、シリコン空孔に起因する複合欠陥が検出され、これが、上述の電子準位と同一の温度域で消失することがわかった。以上より、E(6H-SiC)とZ(4H SiC)準位は、何れもシリコン空孔を伴う複合欠陥であると結論できる。
藤田 尚樹*; Lee, H.-S.*; 岡田 浩*; 若原 昭浩*; 吉田 明*; 大島 武; 伊藤 久義
信学技報, 102(77), p.79 - 84, 2002/05
CuInSeの耐放射線性の知見を得るため、電子線による照射損傷効果を調べた。高周波スパッタ法を用いてGaAs基板上に作製した単結晶CuInSe薄膜へ、室温で2MeV及び3MeV電子線を照射した。Hall測定よりキャリア濃度を調べたところ、110/cm以上の照射によりキャリア濃度が減少することが明らかになり、キャリア減少率を見積もったところ1cmであった。またDLTS法により欠陥準位に関して調べたところ、照射後に未照射では観測されない深い準位が発生することがわかった。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; Weidner, M.*; Frank, T.*; Pensl, G.*; Sperr, P.*; Triftshuser, W.*; 伊藤 久義
Applied Physics Letters, 79(24), p.3950 - 3952, 2001/12
被引用回数:39 パーセンタイル:79.52(Physics, Applied)陽電子消滅及びDLTS法を用いて、電子線照射した4H SiCエピ膜中の原子空孔とZ準位のアニール挙動を研究した。等時アニールの結果、シリコン空孔が有力な陽電子捕獲中心として作用することがわかった。電子線照射後には、幾つかの電子準位が検出されたが、1200のアニール後には、Z準位が残留することが明らかになった。陽電子消滅で検出された原子空孔とDLTSで検出されたZ準位は、何れも1200~1500のアニールで消失することが明らかになった。この同時性から、Z準位は、シリコン原子空孔に由来すると結論できる。
Weidner, M.*; Frank, T.*; Pensl, G.*; 河裾 厚男; 伊藤 久義; Krause-Rehberg, R.*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.633 - 636, 2001/12
被引用回数:29 パーセンタイル:78.2(Physics, Condensed Matter)この論文では、4H SiC中の電気的に活性な固有欠陥の生成と消滅に関する詳細な研究について報告する。これらの固有欠陥は、n型4H SiCに電子線照射又はヘリウムイオン照射することで生成されたものである。700~2100Kで等時アニールが行われた。固有欠陥は、高感度の深準位過渡応答測定(DLTS)により検出された。エネルギー準位と捕獲断面積などが、アレニウムプロットから決定された。おもに、次の特徴が見いだされた。(1)ヘリウム照射と電子線照射は異なる準位を誘起する。すなわち、電子線照射直後には、複数の電子準位が観測されたが、ヘリウム照射では、それらは130Kのアニール後出現した。(2)大部分の電子準位はアクセプターであり、1700Kのアニールで消失する。(3)同様な試料について陽電子消滅測定を行ったところ、特にZ1/Z2準位と原子空孔のアニール挙動が良く一致することがわかった。
河裾 厚男; Weidner, M.*; Redmann, F.*; Frank, T.*; Sperr, P.*; Krause-Rehberg, R.*; Triftshuser, W.*; Pensl, G.*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.660 - 663, 2001/12
被引用回数:13 パーセンタイル:57.97(Physics, Condensed Matter)現在のSiC研究では、放射線によって形成される欠陥を同定することが、一つの課題となっている。これまで、ヘリウム注入により発生する深い準位のアニール挙動が研究されている。それらのあるものは、原子空孔に起因すると考えられている。そこで、本研究では、ヘリウム注入した高品質6H及び4H SiCエピ膜に対して、陽電子消滅及び深準位過渡応答(DLTS)測定を行った。陽電子消滅で得られた原子空孔深さプロファイルは、TRIMコードを用いて計算された結果と良く一致していた。ドップラーSパラメータ及び陽電子寿命ともに単一空孔の値を上回っており、単一空孔だけでなく、原子空孔クラスターも形成していることが示唆された。検出された原子空孔は、700及び1500のアニール温度で消失することがわかった。一方、DLTS測定の結果、いずれの多形においても、相対的に浅い準位と深い準位が形成されていることがわかった。これらは、1000以上のアニールで前後して消失することが見いだされ、陽電子消滅で得られた原子空孔のアニール挙動と良く一致していることが判明した。これより、ヘリウム照射で生成するDLTS準位は、原子空孔型欠陥に由来すると結論できる。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Khan, K.*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.1181 - 1184, 2001/12
被引用回数:7 パーセンタイル:41.38(Physics, Condensed Matter)100keV陽子線照射(1E10, 5E12/cm)したInGaP半導体n+/p接合のキャリア濃度及び生成される欠陥準位を調べた。キャパシタンス測定の結果、キャリア濃度減少率として、1MeV電子線の0.93/cmより桁違いに大きい6.1E4/cmが見積もられた。またDLTS測定より欠陥準位を調べたところ、H1ピーク(Ev+0.90V対応)が観測された。このH1ピークが多数キャリア捕獲中心として働くことで、100keV陽子線照射では1MeV電子線照射に比べキャリア濃度減少率が大きいことが分かった。
大山 英典*; 平尾 敏雄; Simoen, E.*; Claeys, C.*; 小野田 忍*; 高見 保清*; 伊藤 久義
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.1226 - 1229, 2001/12
被引用回数:31 パーセンタイル:79.69(Physics, Condensed Matter)シリコン(Si)のPIN型フォトダイオードの高温線照射による劣化を評価した。試験試料はSiフォトダイオードで、抵抗率が2~4Kであり、厚さ0.3mmのカバーガラス窓をもつTO-18パッケージに収められている。線照射にはCo-60線源を使用し、照射量は最大1107rad(Si),照射中の試料温度は20,100,200とした。照射前後のデバイス特性とDLTS測定を行い、照射による特性劣化と導入欠陥との相互関係について検討した。照射後のDLTS測定の結果、n形シリコン基板に導入された2種類の電子捕獲準位(Ec-0.22eV)及び(Ec-0.40eV)と1種類の正孔捕獲準位(EV+0.37eV)が検出された。一方、デバイス特性については、線照射により暗電流は減少し、光電流は増加する傾向が得られた。これらの特性変化をDLTS測定で得られた欠陥準位に関連付けて議論する。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; Frank, T.*; Weidner, M.*; Pensl, G.*; Sperr, P.*; 伊藤 久義
Journal of Applied Physics, 90(7), p.3377 - 3382, 2001/10
被引用回数:42 パーセンタイル:81.14(Physics, Applied)2MeV電子線照射したn型6H SiCエピ膜中の格子欠陥のアニール挙動を陽電子消滅及びDLTS測定によって研究した。原子空孔型欠陥は、500-700及び1200-1400でアニールされることが見いだされた。内殻電子運動量分布の解析から、後者のアニール過程は、シリコン空孔を含む複合欠陥に起因していることが明らかになった。観測された電子準位のうち、E準位のみが、1000以上において、上記の原子空孔と同様のアニール挙動を示すことが明らかになった。これより、E準位は、シリコン空孔を含む複合欠陥に起源をもつと結論できる。
Khan, A.*; 山口 真史*; 大下 祥雄*; Dharmarasu, N.*; 荒木 健次*; 阿部 孝夫*; 伊藤 久義; 大島 武; 今泉 充*; 松田 純夫*
Journal of Applied Physics, 90(3), p.1170 - 1178, 2001/08
被引用回数:56 パーセンタイル:86.43(Physics, Applied)ボロン(B),ガリウム(Ga),酸素(O)炭素(C)濃度の含有量を変化させたシリコン(Si)に1MeV電子線,10MeV陽子線照射を行い、発生する欠陥をDLTS測定、キャパシタンス測定により分析した。この結果、照射によりEv-0.36eVに格子間Cと格子間Oの複合欠陥(Ci-Oi)に起因する準位が発生すること、Ec-0.18eVに格子間BとOiの複合欠陥(Bi-Oi)が生成されることが明らかになった。また、GaドープSiではCi-Oiの発生が抑制されることを見出した。Ci-Oiは再結合中心として働くことから、この抑制はSi太陽電池の耐放射線性向上につながると考えられる。また、GaドープSiではEv+0.18eVに新たな準位が形成され、この準位は350での熱処理で消失することが判明した。
Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 小野田 忍*; 森 英喜*; 伊藤 久義
Solid State Phenomena Vol.78-79, p.401 - 406, 2001/07
われわれはシングルイベント発生の機構を解析し耐シングルイベント素子開発の指針となるデータを蓄積し、シミュレーション解析を実施している。さらに、入射イオン1個で半導体中に誘起される電荷の伝搬挙動を明らかにするために、イオンマイクロビームとレーザを用いた新たなデータ収集システムを開発をした。本国際会議では、開発した計測技術の概要に加え、TIBIC(Transient Ion Beam Induced Current)システムを用いて取得した15MeV酸素イオン照射時のシリコンダイオードに対するシングルイベント過渡電流波形の温度の影響、さらにガリウム砒素ダイオード及びMOSFETにおけるシングルイベント過渡電流波形と電荷収集マッピングデータ、レーザを用いて得られたシリコンダイオードの接合部マッピング等について紹介し、議論を行う。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; Sperr, P.*; Frank, T.*; Weidner, M.*; Pensl, G.*; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 353-356, p.537 - 540, 2001/00
炭化ケイ素(SiC)半導体を素子化するうえではイオン注入等の放射線プロセスが不可欠であり、付随する照射欠陥の構造、電子準位やアニール挙動を明確にすることが極めて重要である。そこで、われわれは、エピタキシャル成長により製造した高品質六方晶SiC単結晶にヘリウムイオンや電子線を照射し、発生する欠陥を陽電子消滅法を用いて評価した。ヘリウムイオンは、欠陥濃度が照射領域でほぼ均一になるように30~950keVの範囲内でエネルギーを変えながら照射を行い、電子線は2MeVで照射した。等時アニールは100~1700の温度範囲で実施した。陽電子寿命及びドップラー広がり測定の結果、ヘリウムイオン照射で導入した空孔型欠陥の濃度はアニール温度1400付近で急激に減少することを見いだした。同様な結果が電子線照射試料でも得られた。本発表では、これらの空孔型欠陥のアニール過程をDLTS中心との相関を含めて議論する。
Frank, T.*; Weidner, M.*; 伊藤 久義; Pensl, G.*
Materials Science Forum, 353-356, p.439 - 442, 2001/00
n型六方晶炭化ケイ素(4H-及び6H-SiC)単結晶に電子線やイオン(H,He,Ne,Ar)照射で形成される欠陥をDLTS(Deep level transient spectroscopy)法を用いて調べた。電子線照射4H-SiCの等時アニールより、E-630MeVに欠陥準位を有するZ/Zセンターは、30分間アニールでは1400以上、90分間アニールでは900以上で消失し始める。欠陥消滅に対して1次反応を仮定すると、Z/Zセンターのアニールの活性化エネルギーとして2.1eVが得られた。イオン照射6H-SiCでは、アニール後3種類の欠陥(E/E,Z/Z,R)が観測された。いずれの欠陥も照射後700アニールで発生し、800で最高濃度となり、1000以上では減少する。欠陥全量がほぼ消滅する温度は、Rセンターは1000、Z/Zは1400、E/Eは1700であった。これらの欠陥の800での存在割合は照射イオン種に依存するが、1400以上でのアニール後はイオン種に依らずE/Eのみが残存することがわかった。
福岡 登*; 神戸 祥之*; 斉藤 晴男*; 松田 光司
JAERI-M 84-091, 15 Pages, 1984/05
酸素又はV族元素をドープしたゲルマニウム單結晶に電子線照射を行い、生じた欠陥の性質をDLTS法により調べた。また670K附近の熱処理により生じるthermaldonorの性質について調べた。酸素を含む複合欠陥によってEc-0.13eV及びEc-0.29eVに電子捕獲準位がが作られること、Ec-0.25eVに準位を作る欠陥は2種類あり、その一つはA-中心であることがわかった。670K附近の熱処理により生ずるthermaldonorがEc-0.23eV、及びEc-0.1eV準位をもつことがわかた。